こんにちは!
ScoreParade担当の尾内が紹介する楽譜についてのあらゆる雑学コラム第2回です。
今回はアメリカの作曲家John Cage(1912~1992)の楽譜を紹介していこうと思います♪
こちらがJohn Cageさん。
前衛音楽家でもあり、キノコ研究科でもあり、もうご想像できるかと思いますが、少し変わった曲を数多く残しております。
John Cageの変わった楽譜たち
まずご紹介するのは、とんでもなく長い曲の楽譜の一部です。
一部??そんなの何が面白いんだ?と思われるかもしれませんが、ここは少し我慢して読んでみてください。
現代の日本で売れている曲の時間は、大体5分前後ですね!
ぼくが普段聞いている曲の中でも、プログレロック系に10分を超える曲が結構あって「ん~聞きたいけど駅に着くまでに終わらないな~」なんてこともよくあります。
しかし、人類の長い歴史の中ではとんでもない長さの曲が数多く生まれております。
その一つが、こちらの曲。
Organ2/ASLSP
1985年に作曲されたオルガンのための楽曲。
当初は通常で20分の楽曲として作られたそうです。
が!!
タイトル右側の「ASLSP」というのが曲者で
ASLSP → As SLow aS Possible
"できる限りゆっくりと"という意味。
なんと現在、ドイツの音楽家や哲学者によって、この曲を639年かけて演奏しようというプロジェクトが稼働しています!
ドイツ、ハルバーシュタットのブキャルディ廃教会で2001年に演奏が開始され、2640年まで続けられる予定だそうです。
この演奏は誰でも聴きに行くことが出来るので、ドイツに行かれる方は見学されてみてはいかがでしょうか♪
総演奏時間639年になる楽譜の表記はこんな感じです。
楽譜に2003年や2004年と書かれていますね(笑)
とんでもなく長い曲の楽譜って、大量の楽譜ではなくて、このような少し変わった楽譜でした♪
もう一つの楽譜は・・・
「4分33秒」
この曲の楽譜はこちら
これは果たして楽譜なのか?!
はい、楽譜です。
解説すると
I TACET (第1楽章休み)
II TACET (第2楽章休み)
III TACET (第3楽章休み)
と書かれているのみで、楽器は一切演奏されません。
演奏としては無音です。
この曲を作った真意は
『この世に全くの静寂はありえない。沈黙の中で聞こえてくる音を、音楽として表現したかった』そうです。
CDも販売しているそうです。
そして、コンサートの動画も見つけました!(K2Orchさんの動画より引用)
改めて音楽というものがなんなのか考えさせられますね・・・
それでは今回は、この辺で。また次回お楽しみに!!